リースバックと通常売却はどっちが得?売却価格・家賃・手元資金を比較

自宅を売るとき、多くの人が最初に気にするのは「いくらで売れるか」でしょう。
たとえば、通常売却なら3,000万円、リースバックなら2,500万円という査定が出たとします。
500万円の差があります。ここだけを見れば、通常売却を選ぶほうが自然に思えます。
ただし、自宅の売却は、代金を受け取ったところで終わりではありません。
通常売却では、新居探しや引っ越しに加え、転居後の家賃もかかります。リースバックは転居不要ですが、売却後は今の家に家賃を支払います。
では、売却後の暮らしまで含めたとき、500万円の差はどう変わるのでしょうか。
今回は、売却価格だけではなく、家賃や引っ越し費用、居住期間まで含めて、リースバックと通常売却を比べてみます。
リースバックと通常売却の違い
リースバックは、自宅を売却したあと、買主と賃貸借契約を結び、そのまま住み続ける方法です。
所有者ではなくなりますが、住む場所は変わりません。
一方、通常売却では、不動産会社に仲介を依頼して買主を探すなどして住宅を売却し、売却後は別の住まいへ移るのが一般的です。
両者を並べると、違いが見えやすくなります。
| 比較項目 | リースバック | 通常売却 |
| 売却価格 | 市場価格より低くなる傾向 | 市場価格に近い価格を狙いやすい |
| 売却後 | 今の家に住み続けられる | 原則として転居 |
| 引っ越し | 原則不要 | 必要 |
| 売却後の住居費 | リースバックの家賃 | 新居の家賃など |
| 現金化まで | 比較的短い傾向 | 買主探しに時間がかかる場合がある |
違いは「住み続けられるか」だけではなく、売却時に受け取る金額と、その後に出ていく金額。その両方を見る必要があります。
リースバックの売却価格は通常売却より低くなりやすい
まず、売却価格です。
一般的にリースバックの売却価格は、周辺の売却相場や仲介で売却した場合の価格より低くなる傾向があります。
リースバックの買取価格の目安
リースバックは、不動産会社などが住宅を直接買い取る方法が中心です。
そのため、周辺の売却相場を踏まえて市場で買主を探す通常売却とは、価格の決まり方が異なります。
仮に、通常売却なら3,000万円が見込める住宅に、リースバックで2,500万円の査定が出たとしましょう。
売却時点では500万円の差です。
まとまった資金をできるだけ多く確保したい場合、この差は決して小さくありません。
リースバックの売却価格が低くなる理由
リースバック会社は、住宅を買い取るだけではありません。
売却した人から家賃を受け取り、将来的には住宅を再び売却することも想定します。
そのため、査定では現在の不動産相場だけでなく、家賃収入や将来の売却価格、価格変動のリスクなども踏まえて買取価格が決められます。
そして、売却後も支出は続きます。リースバックでは、今の家に住み続ける代わりに、毎月の家賃が発生します。
リースバックでは売却後に家賃がかかる
リースバックの場合、引っ越さずに今の家で暮らせますが、売却後は借主として家賃を支払う必要があります。
リースバックの家賃はどう決まる?
一般的な賃貸住宅では、周辺の家賃相場が大きな判断材料になります。
リースバックの場合は、それに加えて買取価格や事業者が想定する利回りなどをもとに家賃が設定されることがあります。
つまり、同じ住宅でも、買取条件によって家賃が変わる可能性があるということです。
買取価格だけでなく家賃も比較する
ここで注意したいのが、「高く買い取ってくれる会社が必ず有利とは限らない」という点です。
たとえば、A社が「買取価格2,600万円・家賃16万円」、B社が「買取価格2,500万円・家賃13万円」だったとします。
売却時にはA社のほうが100万円多く受け取れます。
一方、家賃は月3万円の差です。5年間住めば、家賃差は180万円になります。
最初の100万円だけを見るか、その後の180万円まで見るかで、条件の見え方は変わります。
リースバックでは、買取価格と家賃を切り離さずに考えることが重要です。
通常売却でも売却後に費用がかかる
では、通常売却なら売却価格だけを見ればよいのでしょうか。こちらにも、売ったあとの支出があります。
通常売却で発生する主な費用
仲介で自宅を売却する場合は、仲介手数料などが発生します。
さらに、新しい賃貸住宅へ移るのであれば、引っ越し費用や敷金・礼金、賃貸仲介手数料などが必要になることもあります。
リースバックでは原則として転居しないため、この部分には違いが出ます。
売却後の新居にも住居費がかかる
そして、忘れやすいのがその後の家賃です。
通常売却をしたからといって、住居費がなくなるわけではありません。賃貸住宅へ移れば、新居でも毎月家賃を支払います。
そこで、売却した瞬間ではなく、5年後まで時間を進めて比較してみましょう。
リースバックと通常売却をシミュレーションで比較
実際にどの程度の差が出るのか、5年間住んだケースで比較します。
【条件】
| 通常売却 | リースバック | |
| 売却価格 | 3,000万円 | 2,500万円 |
| 売却後の家賃 | 月13万円 | 月11万円 |
| 引っ越し・新居初期費用 | 80万円 | 0万円 |
※実際の売却価格、家賃、諸費用は物件や契約内容によって異なります。比較を分かりやすくするため、税金や住宅ローン残債などは考慮していません。
通常売却の場合、5年間の家賃は780万円です。
13万円 × 12カ月 × 5年 = 780万円
引っ越し・新居初期費用80万円を加えると、売却後5年間の支出は860万円。3,000万円の売却代金から差し引くと、手元に残るのは2,140万円です。
一方、リースバックの5年間の家賃は660万円。
11万円 × 12カ月 × 5年 = 660万円
売却価格2,500万円から差し引くと、5年後の残額は1,840万円となります。
| 比較項目 | 通常売却 | リースバック |
| 売却価格 | 3,000万円 | 2,500万円 |
| 5年間の家賃 | ▲780万円 | ▲660万円 |
| 引っ越し・新居初期費用 | ▲80万円 | 0万円 |
| 5年後の残額 | 2,140万円 | 1,840万円 |
売却時には500万円あった差が、5年後には300万円まで縮まりました。
ただし、結果は転居先の家賃やリースバック後の家賃、居住期間によって変わります。売却価格だけでなく、その後の住居費まで含めて比較する必要があります。
リースバックと通常売却は売却価格だけで判断しない

ここまで数字を追うと、比較するときに確認したい項目も見えてきます。
何年間住み続ける予定か
リースバックの家賃が月11万円なら、5年間で660万円、10年間では1,320万円です。
居住期間が長くなるほど、家賃総額の影響は大きくなります。
売却後の住居費はいくらか
一方、通常売却でも転居後の家賃が発生します。
今の家に住み続けた場合の家賃と、新しい家へ移った場合の住居費。この2つを並べてみると、自分にとっての差が分かりやすくなります。
売却時にかかる費用はいくらか
仲介手数料、引っ越し費用、新居の初期費用なども含めて考えます。
見るべきなのは査定額そのものではなく、実際に手元へ残る金額です。
リースバックが向いているケース
それでも、判断材料は金額だけではありません。今の家に住み続けること自体に意味がある人もいます。
1.今の家に住み続けたい人
子どもの学校や通勤、通院などの事情から、生活環境を変えたくない場合です。自宅を資金化しながら住む場所を変えずに済むことは、リースバックならではの特徴です。
2.引っ越しの負担を避けたい人
引っ越しには費用だけでなく、物件探しや荷造りなどの手間もかかります。こうした負担を避けたい場合も検討しやすいでしょう。
3.早めにまとまった資金を確保したい人
リースバックでは不動産会社などが直接買い取るケースが多く、買主探しが必要な仲介売却と比べて、早めに現金化できる場合があります。
通常売却が向いているケース
反対に、今の家へ住み続ける必要がなければ、通常売却が合う場合もあります。
1.できるだけ高く売却したい人
売却価格を優先するのであれば、仲介による通常売却が選択肢になります。
2.売却後に引っ越しても問題ない人
すでに新居が決まっているなど、住み続ける必要がなければ、リースバックの特徴を生かしにくくなります。
3.売却後の家賃負担を抑えたい人
リースバックでは、住み続ける限り家賃の支払いが続きます。より住居費の低い家へ移れる場合などは、通常売却のほうが長期的な負担を抑えられることもあります。
リースバックを利用するときの注意点
最後に確認したいのが、金額では見えない契約条件です。
賃貸借契約の期間
リースバックなら、必ず希望する期間だけ住み続けられるとは限りません。契約期間や再契約の条件は事業者によって異なるため、事前の確認が必要です。
家賃や更新条件
現在の家賃だけでなく、将来の家賃変更や更新・再契約の条件も確認しておきたいところです。長く住むつもりなら、なおさら重要になります。
買い戻しの条件
将来、自宅を買い戻したい場合は、買い戻しが可能か、期限はあるか、価格はどのように決まるのかも確認します。
「いつか戻せるだろう」と考えるのではなく、契約時点で条件を把握しておくことが大切です。
グッドライフでは、売却後の暮らしまで見据えてご提案します
グッドライフでは、リースバックの査定額だけでなく、売却後の家賃や今後の生活設計まで踏まえてご提案しています。
老後資金、相続、住宅ローン、将来の住み替えなど、自宅を売却する理由やその後の暮らしは人それぞれです。そのため、リースバックのみではなく、通常売却や資産活用も含めて、お客様の状況に合った選択肢を一緒に整理します。
契約して終わりではなく、売却後も住み慣れた家で安心して暮らせるよう、賃貸としての生活や将来の住み替えまで見据えてサポート。目先の査定額だけではなく、その先の暮らしまで考えることを大切にしています。売却後の生活まで含めて比較したい方は、ぜひご相談ください。
まとめ

リースバックと通常売却は、売却価格だけでは比較できません。売却後の住居費や居住期間によって、手元に残る金額は変わります。
また、今の家に住み続けたいか、転居の負担をどう考えるかなど、数字では測れない条件もあります。売却後の暮らしまで含めて比較することが、自分に合った方法を選ぶ一つの判断材料になります。自宅の売却を考えるときは、「一番高い査定はどこか」だけで終わらせず、売却したあとの暮らしまで含めて比較してみる。
リースバックか通常売却かを考えるうえでは、その視点が一つの判断材料になります。